ウインドウラジオ

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大浮世絵展でも注目される浮世絵の魅力-聴取メモ

橋本麻里さんがSession-22にゲストでこられたのですが、江戸東京博物館で開催中の大浮世絵展に行こうと思ってるので、お話をメモしました。
 

浮世絵の魅力について

去年末の内覧会で見た。

全部乗せって感じ。全部見ようとすると通わないといけない。

浮世絵は世界中で人気があったので、日本以外でも多くある。木版画なので、色々ある。状態が一番いい状態のものを持ってきた。

見比べると、○○美術館にあるのは意外と状態よくない、というのがわかる。

江戸時代には錦絵という言い方が一般的。菱川師宣あたりに出てくる。始まりは江戸時代以前、桃山時代、江戸時代初期。洛中洛外図屏風の一部を抜き出して、ジャンルが分化していって浮世絵が成立する。

戦国時代は闘いは多いし、人が死ぬ。憂いのある世の中から楽しい世の中へ。その世の中を描いた。

最初は肉筆画。そのうち木版の技術が高度になって、墨一色から、筆で紅色を加えるなどの絵が出てくる。18世紀の半ばに多色刷りの木版画・錦絵が出てくる。そこからがみんなが知ってる浮世絵の世界。

版を重ねることができる技術が開発されたのが18世紀の半ば。

浮世絵って分業。葛飾北斎などは下絵を描く絵師、そして彫師がいて、版元がいる。あれが流行った、となると真似て。刷物で大衆向け。それまで絵の注文主は武士、寺社仏閣で同時に享受者だった。でも浮世絵は1枚いまでいう数百円。

美人図・役者絵・相撲絵・名所絵というのもある。絵というと額にいれて眺めてというイメージあるが、雑誌、ニュースとしてという面も。お相撲だったら当時の力士は江戸で3モテ男。力士と火消しと与力。あ、役者も入るのかな。そういう人たちが人気を独占してた。

役者絵も。力士は肉体も含めた。役者はかっこよさ。色気とか。ブロマイド。名所は旅先の風景やお土産、グルメ情報。大江戸ウォーカーという感じ。あとはゴシップとか。どこどこで心中事件がありました、とか。歌舞伎・文楽・絵。荒唐無稽なヒロイックファンタジーを描いたり。

歌川国芳、3枚続きのワイド画面にしちゃったり。国芳って描くジャンルが多い。ナウシカ巨神兵のような骸骨のお化けがバアっと顔を覗かせてたりとか。大判と呼ばれるものを3枚続きにしてスペクタクルに見せようと。

菱川師宣のときから揃い絵があった。富嶽三十六景。版元が人気があるからと10毎追加。東海道五十三次は55。それが受けたとなったら木曾街道で作ろうとか。ナントカ48みたいな。

コンプリートしたいという気持ちがある。そういうのを見込んで作る。

錦絵、多色刷りがウリ。江戸の土産物として買って帰るような。持って帰る重要な江戸の産品。でもあえて1色の藍図というのがある。なんて綺麗な青なんだろうと。長崎からオランダ経由で入ってくる。ベロ藍、ベルリンで作られたから。この呼び方が明治から。平賀源内が18世紀の物産展に出してるが、そのときはブレリンブラウ。新しい無機顔料が入ってきて、それまでは露草の青だった。植物を使ってた。簡単に色褪せる。顔料は非常に鮮やか。これが入ってきたからこそ北斎や広重の風景画の青が。同じ時期の印象派がチューブの絵の具が出てきて外に出て絵をかけるようになって、新しい表現を。

どどーんと波があって、富士山がある。これもベルリン藍があったから。

美人図が青一色で描かれてたりとか、なかなかオシャレ。錦絵だけどあえて。

女性像なんかでも、美人図と役者絵って2大ジャンル。写楽、歌麿。最初は全体図。役者は舞台全体を描いているところから、段々近づいていってアップになる。ああいう大首絵っていうのは役者でやって美人図。同じ大首絵でも、美人図はそのときの理想の美人。はやり顔。個人名がついているのに、みんな同じ顔。じゃあ役者はというとある時期までは典型的な役者顔。役が何か分かる、ぐらい。それが段々役者個人の魅力に。似顔っていう。極まった形が写楽。美点だけでなくて欠点も。かっこいいナニナニさんがみたいのに、となった。あまりにも真に近すぎてやめてしまった、という言われ方をしている。